レポート3 「ウーロン茶の味を変える」
レポート3 「ウーロン茶の味を変える」
セリフを噛み、段取りをとちって、猛烈な総ツッコミを受けた。その後。集中して集団催眠にとりかかる。全員に眼を閉じてもらい語りかける。
だが私の力量では暗示を入れる余裕はないだろう。なんだか手ごたえが無いのだ。全員にブランコ乗ってゆれて貰う。今回は軽く体験してもらうことにしよう。
「ブランコに乗りましょう。体がゆれてくると気持ちよくなります」
隣の眼帯少女がゆらゆらしている。しかしかかりが浅い。でも最後まで続ける。やはり一気に多人数を相手にするにはいささか経験と技術と努力が足りなかったか。
「私が10数えると催眠はとけてスッキリと目を覚めますよ」
覚醒。反応はまちまちだがブランコで体が揺れたと何人かが言ってくれた。今度はその人たちの隣に行って暗示で手を固める。カタレプシーは成功した。催眠術の原理について説明。よしよし、場の空気を壊さずに済んだようだ。
前半の失敗と後半のカタレプシーでそれなりの盛り上がりで集団催眠終了。
「上手な人になると飲み物の味とか変えられるんだ」
「へぇ、面白そう。じゃあ俺にかけてみてくださいよ」
「挑戦してみようか。ウーロン茶を水に変化させよう」
彼の前にあったコップを手に取る。酒が飲めない彼はずっとウーロン茶だ。深呼吸してもらってから深化。暗示文を思い出しながら目を閉じてもらう。
「貴方は今、ビルの20階にいます。これからビルの1階へ向かいます」
イメージの中でエレベーターへ誘導。ゆっくりと深化させていく。
「20階、19階、18階、ふかーく、ふかーく降りてゆきます」
「・・・2階、1階。到着しました。エレベーターの外へ出ましょう」
「貴方が目を覚ますとウーロン茶が水に変わります。水の味になります」
覚醒、ウーロン茶を飲んでもらう。どうかな? 水みたいでしょ?
「うーん? ごくごく、うー? ごくごく」
う、浅い。だが少し入ってるぞ。ここで一気に畳み掛ければイケル。迷いながら飲んでいたウーロン茶が無くなった。とっさにコップを掴む。
コップの中身は誰かが頼んだソルティードックだった。
ソルティードックのレシピ
◆ウォッカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
◆グレープフルーツジュース・・・・・・・・・適量
◆塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
※グラスの縁に塩をつけるのためソルトスノースタイルと呼ばれている。
「コレ飲んでみて。水だから」
これは無理があった。味に迷ってる人間にソルティードックは不味かった。
「ごくごく、ゴハァー!!」(ちょっと迷ってから逆流)
「ス、スイマセン。俺、頑張って飲んだけど、やっぱり酒でした」
噴出。チューハイも飲めないような人間にソルティードックは不味かった。やはり味覚変化は難しい。今の私にはできないのだろうか。いや、まだだ。
隣を見ると眼帯少女が今度はちびちびウーロン茶を飲んでいた。君なら出来る。
「ほんと? やってみて」
「でわ、目を閉じて私の声をイメージしてください。深く降りてゆきましょう」
深化開始。ほどなくして眼帯少女はトランス状態に入った。いい感じだ。この瞬間は良い。催眠術師冥利につきるという所だろうか。心が躍る。そんな事を考える。よし、集中して暗示文をゆっくりと繋いでいく。
「貴方が目を覚ますとウーロン茶は水になります。水です」
覚醒。ウーロン茶をちびちびと飲んでいる。どう? 味は水でしょ?
「・・・うん。水になってる」
味覚変化成功。思わずガッツポーズ。この感覚を覚えておかなければ。成功と勝利の感触をじっくりと噛み締める。後は暗示を解いて終了だ。催眠術はしっかりと解除しなければならない。終わりが肝心だ。
「3、2、1、はい。おはようございます。大丈夫?」
「・・・大丈夫」
「どうかな。おもしろかったでしょ?」
「うん! 楽しかったよー」
どうやら喜んでもらえたようで嬉しいですね。よかったよかった。
「凄いよ、結城君。詐欺師とかできるんじゃない」
「肩こってない? とても良い羽毛布団があるんですよ、奥さん」
「えー。本当?」
「人生の三分の一は布団の中で過ごします。健康は布団からなのですよ」
「おいくらかしら」
「150万円を今回はたったの50万円を御奉仕しましょう」
「安ーい。買った」
布団の契約が取れたところで今回のレポートは終了。また次回お楽しみに。
>>レポート4 「好き好き催眠術に挑戦」
セリフを噛み、段取りをとちって、猛烈な総ツッコミを受けた。その後。集中して集団催眠にとりかかる。全員に眼を閉じてもらい語りかける。
だが私の力量では暗示を入れる余裕はないだろう。なんだか手ごたえが無いのだ。全員にブランコ乗ってゆれて貰う。今回は軽く体験してもらうことにしよう。
「ブランコに乗りましょう。体がゆれてくると気持ちよくなります」
隣の眼帯少女がゆらゆらしている。しかしかかりが浅い。でも最後まで続ける。やはり一気に多人数を相手にするにはいささか経験と技術と努力が足りなかったか。
「私が10数えると催眠はとけてスッキリと目を覚めますよ」
覚醒。反応はまちまちだがブランコで体が揺れたと何人かが言ってくれた。今度はその人たちの隣に行って暗示で手を固める。カタレプシーは成功した。催眠術の原理について説明。よしよし、場の空気を壊さずに済んだようだ。
前半の失敗と後半のカタレプシーでそれなりの盛り上がりで集団催眠終了。
「上手な人になると飲み物の味とか変えられるんだ」
「へぇ、面白そう。じゃあ俺にかけてみてくださいよ」
「挑戦してみようか。ウーロン茶を水に変化させよう」
彼の前にあったコップを手に取る。酒が飲めない彼はずっとウーロン茶だ。深呼吸してもらってから深化。暗示文を思い出しながら目を閉じてもらう。
「貴方は今、ビルの20階にいます。これからビルの1階へ向かいます」
イメージの中でエレベーターへ誘導。ゆっくりと深化させていく。
「20階、19階、18階、ふかーく、ふかーく降りてゆきます」
「・・・2階、1階。到着しました。エレベーターの外へ出ましょう」
「貴方が目を覚ますとウーロン茶が水に変わります。水の味になります」
覚醒、ウーロン茶を飲んでもらう。どうかな? 水みたいでしょ?
「うーん? ごくごく、うー? ごくごく」
う、浅い。だが少し入ってるぞ。ここで一気に畳み掛ければイケル。迷いながら飲んでいたウーロン茶が無くなった。とっさにコップを掴む。
コップの中身は誰かが頼んだソルティードックだった。
ソルティードックのレシピ
◆ウォッカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
◆グレープフルーツジュース・・・・・・・・・適量
◆塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
※グラスの縁に塩をつけるのためソルトスノースタイルと呼ばれている。
「コレ飲んでみて。水だから」
これは無理があった。味に迷ってる人間にソルティードックは不味かった。
「ごくごく、ゴハァー!!」(ちょっと迷ってから逆流)
「ス、スイマセン。俺、頑張って飲んだけど、やっぱり酒でした」
噴出。チューハイも飲めないような人間にソルティードックは不味かった。やはり味覚変化は難しい。今の私にはできないのだろうか。いや、まだだ。
隣を見ると眼帯少女が今度はちびちびウーロン茶を飲んでいた。君なら出来る。
「ほんと? やってみて」
「でわ、目を閉じて私の声をイメージしてください。深く降りてゆきましょう」
深化開始。ほどなくして眼帯少女はトランス状態に入った。いい感じだ。この瞬間は良い。催眠術師冥利につきるという所だろうか。心が躍る。そんな事を考える。よし、集中して暗示文をゆっくりと繋いでいく。
「貴方が目を覚ますとウーロン茶は水になります。水です」
覚醒。ウーロン茶をちびちびと飲んでいる。どう? 味は水でしょ?
「・・・うん。水になってる」
味覚変化成功。思わずガッツポーズ。この感覚を覚えておかなければ。成功と勝利の感触をじっくりと噛み締める。後は暗示を解いて終了だ。催眠術はしっかりと解除しなければならない。終わりが肝心だ。
「3、2、1、はい。おはようございます。大丈夫?」
「・・・大丈夫」
「どうかな。おもしろかったでしょ?」
「うん! 楽しかったよー」
どうやら喜んでもらえたようで嬉しいですね。よかったよかった。
「凄いよ、結城君。詐欺師とかできるんじゃない」
「肩こってない? とても良い羽毛布団があるんですよ、奥さん」
「えー。本当?」
「人生の三分の一は布団の中で過ごします。健康は布団からなのですよ」
「おいくらかしら」
「150万円を今回はたったの50万円を御奉仕しましょう」
「安ーい。買った」
布団の契約が取れたところで今回のレポートは終了。また次回お楽しみに。
>>レポート4 「好き好き催眠術に挑戦」
コメント
な、、、なんか眼帯少女さん可愛いですね。。。
眼帯が恐ろしいほどに似合ってました
可愛いうえに暗示のかかりやすさも良くて被験者としてもグッドでした。
彼女がいなければその後の催眠誘導は無かったかも。感謝感謝です。
彼女がいなければその後の催眠誘導は無かったかも。感謝感謝です。
一瞬彼女なんかな?と思ってしまいましたよ。。。
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